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【アーティスト紹介Vol.2】伊藤 日菜子さん – バイオリニスト

船橋にゆかりのある音楽家をご紹介。第2弾はバイオリン奏者の伊藤 日菜子(いとう ひなこ)さんにお話を伺いました。

船橋は心癒される思い出の街

ふなおん

本日はよろしくお願いします。はじめに伊藤さんと船橋とのつながりを教えてください。
私は千葉市で生まれ育ったのですが、父の出身地である船橋は幼い頃から馴染みのある街でした。父に船橋に連れてきてもらい、思い出話を聞きながら散歩することもありました。

また、小学校3年生から中学3年生までの間は本八幡駅のバイオリン教室に通っていたので、船橋に立ち寄る機会も多かったです。

伊藤さん

ふなおん

お父さんの出身地ということは、船橋は伊藤さんにとってルーツの土地ということですね。
高校からは調布の学校に通っていました。その頃は船橋が帰りの寄り道スポットの定番でした。もう無くなってしまったが西武デパートの方にあったLOFTとかが懐かしいです。

昼間なにか悩み事があったら、学校帰りに船橋駅で降りて、北口広場の時計を眺めながら黄昏れることもよくありました。定刻になると動きだす機会時計のメロディに癒されたり(笑)

伊藤さん

中断したからこそ気付いたバイオリンへの気持ち

ふなおん

バイオリンのプロ奏者の方は小さい頃から音楽に取り組んでいる人が多い印象です。伊藤さんもやはり小さい頃からバイオリンを習っていたのでしょうか?
バイオリンは3歳から始めました。サンタさんからのプレゼントが子供用の小さいバイオリンだったんです。ピアノの先生をやっていた母が私にバイオリンをやらせたくて「サンタさんから楽器を貰ったから教室に行かなきゃね〜」なんて言われて、家の近くのバイオリン教室に通い始めました。

伊藤さん

ふなおん

途中で別の教室に移ったということですか?
はい。本格的に音楽に取り組もうとなったタイミングで、厳しいことで有名な本八幡のバイオリンの先生の教室に移りました。初回レッスンのときは緊張して頭が真っ白になってしまったことだけは覚えています(汗)

辞めたいと思ったこともありましたが、その都度母が根気よくサポートしてくれました。

また非常に厳しい先生ではあったのですが、技術のみならず音楽に取り組む姿勢や覚悟なども叩き込んで頂けて、今となっては本当に感謝しています。私にとって”バイオリンの母”と呼ぶべき恩師です。

その恩師のおかげで、高校は弦楽器に定評のある桐朋女子高等学校音楽科に入ることができました。

伊藤さん

ふなおん

いつ頃からプロを目指すようになったんですか?
小さい頃からバイオリンを弾くのが当たり前の生活だったので「自分は一生バイオリンを弾き続けて生きていくんだろうな〜」と自然と思っていましたが、それがより強い覚悟として固まったのは高校3年生の時です。

実は私、高校3年生のときに病気で一度学校を辞めてるんです。その時に初めてバイオリンから離れた生活をするようになりました。

治療を終えて大学進学をどうしようか考えた時に、自然と湧いてきたのが「バイオリンを弾きたい」という想いでした。

それ以降はバイオリンと一緒にいられる愛おしい時間を大切に過ごすようになりました。数ヶ月の中断期間を取り戻すために猛練習が必要な状況でしたが、息をするのと同じくらい自然に練習に打ち込むことができて、桐朋学園大学音楽学部に合格することができました。

伊藤さん

ふなおん

中断をバネにして一皮剥けたということですね。
中断することを悪く言う人もいますが、私の場合は間違いなくプラスでした。そこからバイオリンに向き合う姿勢ががらっと変わったので。

伊藤さん

演奏だけでなく講師/学生としても学び続ける日々

ふなおん

現在の伊藤さんの音楽との関わりを教えてください。
昨年音楽大学を卒業しました。現在はブライダル等での演奏の仕事と、自宅を中心としていくつかのバイオリン教室での講師業に並行して取り組んでいます。

また、ジェラール・プーレ先生のレッスンを受けられるチャンスを頂き、昭和音楽大学短期大学部にも通っています。プーレ先生はフランス芸術文化勲章を受賞するほどの世界的なバイオリニストです。

伊藤さん

ふなおん

伊藤さんはどのようなスタイルや曲の演奏が得意なのでしょうか?
ピアノ伴奏でのソロ演奏が主体ですが、バイオリン2本での演奏や、フルートとの二重奏なども演奏します。チェロを弾く妹との二重奏なんかもやりますね。

曲については、色々なものに挑戦したい性格なので、専門はクラシック音楽ではあるんですが何でも演奏します。

今はプーレ先生に師事していることもあり、フォーレやラヴェルやドビュッシーといったフランス作曲家の作品を弾く機会が多いです。

伊藤さん

ふなおん

ご自身が講師を務めるバイオリン教室にはどのような生徒さんが多いですか?
大人の生徒さんが多いです。私より年上の方ばかりなのですが、もう一度基礎から見直したいという熱心な方が多くて本当にありがたいです。

自分は感覚よりも理論を大事にするところがあって、教える過程で自分自身がこれまで培ってきたものを言語化するプロセスがとても勉強になっています。生徒さんと一緒に成長させて頂いている感覚です。

長くピアノ講師をやっている母からも「良い生徒が多くて幸せだね」と言われます。

伊藤さん

音楽を愛する母が残しておいてくれた道

ふなおん

伊藤さんの音楽人生にはいつもお母さんが傍いるのですね。音楽家として生きていくのは苦労も多いため、自身の子供には音楽の道に進んで欲しくないと仰る音楽家も多いと聞きます。伊藤さんのお母さんはどうして音楽への道を後押ししてくれたのでしょうか?
先ほど小学生の頃に非常に厳しいバイオリンの先生の教室に通っていたという話をしましたが、実は母も小さい頃は結構厳しいところがありました。辞めたいと言っても「絶対ダメ!」と。もしかして自分が果たせなかった夢を子供に背負わせているのかな、と思っていた時期もありました。

でもバイオリンが一通り弾けるようになった頃からは、冗談半分で辞めたいと言っても「辞めてもいいよ」と急に優しくなったんです。でもそれと同時に「自分のことは自分で決めなさい」とも言われました。

たぶん母は純粋に音楽が好きでその楽しさも知っていて、自分の子供が音楽の道に進みたいと言えるように選択肢を残しておいてくれたんじゃないかと思うんです。特にクラシック音楽の世界ではある程度小さい頃から訓練を積んでいないと、そもそもプロの道に進むことが難しい面もあるので。

伊藤さん

ふなおん

素敵なお母さんですね。
母は私にとって一番信頼できる音楽家なんです。小さいころから自分の演奏をずっと間近で聴いてきてくれた人でもあるので、自分の演奏について一番素直に聞ける相手です。

そろそろ自立しなきゃとは思っているんですが(笑)

伊藤さん

船橋への想いと今後の展望

ふなおん

伊藤さんが思う船橋の良いところ・もっとこうだったら良いのにというポイントを教えてください。
音楽関係のイベントが多く、千葉県の中でも音楽への興味関心が強い街だと思います。自分も機会があれば色々なイベントに出演したいと考えているので、応募の窓口などがある場合にはもっと大々的にお知らせがあるとありがたいと感じます。

伊藤さん

ふなおん

最後に、伊藤さんの今後の展望をお聞かせください。
クラシック音楽、その中でも特にバイオリンに対しては、堅苦しいイメージを持つ人が多いと感じています。バイオリン弾いてるって言うと「え?お嬢様なの?」みたいな反応をされることが多くて(汗)

そんなイメージを払拭して、もっと気軽により多くの人にバイオリンの演奏を楽しんでもらいたいと思っているので、音楽ホールでのコンサートに限らず、とにかく色々なことにチャレンジしたいと考えています。ポピュラー系のアーティストとのコラボレーションなどにも取り組んでみたいです。

また、私には少し引っ込み思案なところがあるので、自信を持って自分自身を売り込めるような自信と心の強さを身につけなければと思っています。とにかく良い音を出せるようになること、そして自分の演奏をより多くの方に楽しんでいただくことが自信につながると信じているので、今後も精一杯音楽に向き合っていきたいと思います。

伊藤さん

伊藤 日菜子 – バイオリニスト

 

千葉県出身、在住。3歳よりヴァイオリンを始める。

第12回ベーテン音楽コンクール全国大会 弦楽器部門 大学・院生Aの部 第1位。第20回日本演奏家コンクール弦楽器部門一般Aの部 入賞。第6回デザインK音楽コンクール 弦楽器部門 優秀賞。第33回全日本ジュニアクラシック音楽コンクール全国大会 弦楽器部門 審査員賞 ほか。2019年、巨匠Gerard Pouletと二台ヴァイオリンで共演。
桐朋女子高等学校音楽科を経て、桐朋学園大学音楽学部カレッジディプロマコースヴァイオリン専攻を修了。現在昭和音楽大学短期大学部 弦管打楽器コース1年に特待生として在学中。
ヴァイオリンを、佐藤明美、辰巳明子、恵藤久美子、Gerard Pouletの各氏に師事。澤和樹、堀正文、木野雅之、Oleh Krysa、Habib Kayalehの各氏に指導を受ける。
室内楽を、景山誠治、若林顕、藤原浜雄、北本秀樹、神谷美千子、奈良場恒美の各氏に師事。

※記載の内容はインタビュー(2019年10月)時点のものです

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