【レポート】鍵盤ハーモニカのワークショップ&ピアノ・マリンバライブを同時開催!

7/25(日)にきららホール(市民文化創造館)で、子どもたちに向けた鍵盤ハーモニカのワークショップ&ミニライブが開催されました。

入口のチラシを発見!

「じつは、昨年行うはずだったんですよね」と、主催のすずき企画の鈴木さん。

それでも1年越しに開催を決めたのは、子どもたちへ友達と合わせて楽器を演奏することの楽しさを知ってほしいという想いからでした。

楽器の技術を磨くのではなく、合わせる楽しさを知る場って今になるとあまりない気がします。

参加している子どもたちは、通っている小学校も学年もバラバラ。鍵盤ハーモニカを通して一つの音符を合わせるために、続々と集います。

受付でお出迎えしてくださいます。

鍵盤ハーモニカのワークショップって、あまり耳になじみがないなと思いませんか?私の記憶でもたしか、小学校低学年のときに音楽の授業で触れてそれ以降出会う機会はなかったような気が。

それもそのはず「鍵盤ハーモニカは3年生のときに習うリコーダーの導入のための楽器です。そのうえ、最近では音楽の授業日数も減り、より触れられる回数は少なくなっています」と鈴木さん。

しかし近年、その音色の良さが見直されてきたそう。

ということで今回はそんな、鍵盤ハーモニカという楽器と、合奏の楽しさを同時に味わえるイベントの様子をお届けします!

 

ワークショップで鍵盤ハーモニカを教えてくれるのは、KEYsiDE(キーサイド)のお2人マリンバ奏者の宮野下シリュウさんとピアノ奏者の伊藤辰哉さんです。

以前、アーティスト紹介にもご登場いただきました。

そしてなんと今日はこのお2人のワークショップのみではなく、ライブも同時開催!ワクワクですね。

 

さっそくワークショップがスタート!すこし緊張した張り詰めた空気が漂います。

今回はAとBの2グループに分かれてそれぞれ1つの曲を仕上げ、お互いに発表しあいます。Aは美女と野獣・Bはあつまれ動物の森のテーマ曲。

先生による、マリンバとピアノによるなんとも豪華なお手本ののちグループごとの練習へ移っていきました。どちらのグループもはじめは緊張の伝わる空気でしたが、KEYsiDEの2人の愉快なトークと動きでだんだん柔らぎそれは「合わせる」ための熱へと変わっていきました。

Aグループの練習風景、伊藤さんが回っています。

Bグループの練習風景。宮野下さんの解説からはじまりました。

自分だけが上手に演奏することができても、ずれてしまうと曲として成立させることが難しい…

しかし合わせるためには自分の技術も必要…人生とも通じる学びを感じます。

 

1時間ほどの練習を終え、グループごとの発表の時間。

照明に照らされた舞台に、Aグループが立ち美女と野獣が奏でられます。ゆったりとしたメロディに、鍵盤ハーモニカの音色と伊藤先生のピアノの音が重なります。 

続いてBグループ。細かいリズムが揃い、軽快なあつ森のテーマ曲が会場に響きわたります。こちらは宮野下先生のマリンバの伴奏とともに。

どちらも演奏後は大きな拍手が贈られました!

はじめはすこし張り詰めているように感じられた空気が一変、一つの曲・鍵盤ハーモニカを通して会場が一つになったのを感じました。 

 

ここで参加者の声をきいてみましょう。

とっても楽しそうに揺れながら演奏している姿が印象に残った男の子に、まずお話をきいてみました。

普段は吹奏楽部でユーフォニアムを吹いているそう!

今日について

「吹奏楽部ではなく、また普段音楽にあまり触れたことのない子たちと集まって一つになり演奏することができてよかった」

とお話ししてくれました。

まさに今回届けたかったことを受け取り、感じてくれたようです…!

ほかにも

「音楽の楽しさを知ることができてよかった」

「はじめはわからないことが多くて不安だったけれど

 一つ一つ教えてもらいだんだんとできるようになったことが嬉しかったし楽しかった」という声をもらいました。

皆さんご協力ありがとうございました!

 

ワークショップのあとは、お待ちかねのKEYsiDEによるライブです。

マリンバとピアノの演奏…始まる前からワクワクがホールには充満していました。

ライブ、スタートです!

つい先ほどまでワークショップで鍵盤ハーモニカを教えてくれていたお2人ですが、舞台に立ちライトに照らされると、まったく違う雰囲気を纏っているようにみえました。

登場して1曲目はアンダーザシー!マリンバの軽やかな音色とピアノの華やかな音の重なりに涼みます。

マリンバとピアノを合わせるとなんと300㎏もあるそう!

「広い会場ではないと演奏できません」とお2人。

その後、KEYsiDEアレンジバージョンのラジオ体操、伊藤さんが鍵盤ハーモニカを吹くリベルタンゴ、宮野下さんが激しく体力を消耗することにちなんで名づけられた乳酸メドレー(歓喜のうたやカノンが組み込まれていました)など、オリジナルな曲目が目白押しなライブとなりました。

伊藤さんがピアノ椅子のうえに立ったり

伊藤さん、躍動!

アンコールのタイプライターという曲ではお2人が鈴のついたヘルメットをかぶって出てきてその鈴をお互い鳴らしあいながらマリンバを演奏したり(会場には思わず笑いがこぼれました)など耳にはもちろん目にも贅沢な時間となりました。

アンコールです!叩きあう一コマ。

ワークショップでは子どもたちと同じ目線で楽しくハーモニカを教えていたお2人だからこそカッコよさ・すごさが際立っていたと感じるライブでワークショップとライブ、どちらもがあってこそ子どもたちにとって夏の思い出の1つとして大きな印象に残るのだろうなと思いました。

あっという間のKEYsiDEによるライブが、大きな拍手で終了!!

 

ライブ後には、お2人にお話を聞くことができました。

 今日のためもこの構成を組みました、とお話しする伊藤さん。

ふだんは2時間のライブを開催することが多いそうなのですが今回は「短い時間に凝縮して、ギャグの要素を多めに、子ども向けのイベントだけれど子どもに寄せすぎない、どの層でも楽しめる構成を心掛けました」とのこと。

だからこそ、クラシック曲も混ぜ込まれているプログラムなのだと納得。

あまり知らない曲かもしれないけれど、のめりこんでいる様子が印象的だった子どもたちは演奏だけではなく、やはり視覚的にもKEYsiDEの漫才のようなMCにも引き込まれていたのだなと実感しました。

そして演奏中のお2人の様子は、楽屋での関係そのものだそう。

 

このコロナ禍で「より地域貢献できる演奏者になりたいと思うようになりました。」と宮野下さん。

「今まで東京メインで活動していたけれど狭く濃く活動することの大切さ、一つ一つの演奏の場の大切さを実感。また、演奏を聴きに来てくださる方たちの変化も感じています。コンサートはなんとなく演奏を聴きにいくものから、しっかり選び取るものへ。だからこそコンサート中の姿勢もより前のめりに、濃くなりました」と伊藤さん。

 

最後にこの記事を読んで下さっているの皆さんへメッセージを頂きました。

「コロナ禍だからこそ音楽に触れてほしい」と伊藤さん。

「飲食店も早く閉まり、音楽に触れることを選択肢に入れている人が増えたのではないのでしょうか。また今回のようなワークショップを、あまり開催する機会がありませんでしたが参加者の皆さんからもらうことの多い現場だと感じました。これからのコンサートでも、与えるのみではなくもらいあえるような関係を築いていければと思います」と宮野下さん。

 

ぜひまた、お2人のワークショップ・ライブに参加させていただきたいです…!

 

今回取材させていただいたすずき企画の皆さま、参加者の皆さま、そしてKEYsiDEの伊藤さん・宮野下さん、改めてありがとうございました!

まだまだ先のみえない日々が続きますが、どうか音楽をとおしてまたお会いできるのを楽しみに。

それではまた!

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