【アーティスト紹介 Vol.25】竹部 朱里 さん – バイオリニスト

船橋にゆかりのある音楽家をご紹介。第25弾はバイオリニストの竹部 朱里(たけべ あかり)さんにお話を伺いました。

※内容はインタビュー(2021年8月)時点のものとなります

船橋ジュニアオーケストラ出身のバイオリニスト

ーはじめに竹部さんと船橋とのつながりを教えてください。

船橋出身・船橋育ち、現在も船橋市内在住です。習志野台第二小学校〜前原中学校を卒業しました。

竹部さん

ー部活でもバイオリンを?

小中学校ではいずれも管弦楽部に所属していました。千人の音楽祭にも出演したことがあります。

また、船橋ジュニアオーケストラ(以下、ジュニアオケ)には小学校6年生から20歳まで所属していたので、船橋に育ててもらったという感覚が非常に強いです。

竹部さん

ー現在の活動について教えてください。

東邦音楽大学の大学院に通いながら、バイオリン奏者として様々な演奏活動に取り組んでいます。ピアニストの方とのデュオコンサート、弦楽四重奏やピアノ五重奏(ピアノ+弦楽四重奏)などの室内楽や、プロオーケストラのエキストラとしての出演などが主な活動です。

2019年には習志野市のプロ楽団「習志野シンフォニエッタ千葉」の演奏会にも出演させて頂きました。

竹部さん

ー活動エリアはどの辺が多いですか?

首都圏を中心に様々な場所で演奏しています。江戸川区の主催するコンクールに出場した際のご縁で江戸川演奏家協会に所属しており、江戸川区エリアでの演奏機会を頂くことも多いです。

竹部さん

ー船橋ではなく江戸川区で?

本音では地元での活動をもっと増やしたいのですが、これまでなかなか機会に恵まれてきませんでした。なので「ふなおん365」のことを知ってビビっときたんです。

竹部さん

習志野台第二小学校管弦楽部で出会ったバイオリン

ー竹部さんと音楽との出会いはいつでしたか?

小学校3年生の時に音楽鑑賞教室で、同じく習志野台第二小ご出身のバイオリニストの方の演奏を聴いて興味を持ったのが音楽人生の始まりでした。たまたま管弦楽部があったので、4年生の時に入部してバイオリンを始めました。

竹部さん

ーそれ以前の音楽経験は?

全然無いんです。ただ、父がピアノや音楽鑑賞が趣味だったので、小さい頃からクラシック音楽のテレビ番組を一緒に観ていた記憶があります。「題名のない音楽会」とか「N響アワー」とか。

竹部さん

ー中学校でも部活で音楽を?

中学でも管弦楽部に所属しました。

竹部さん

ー部活動はいかがでしたか?

楽しかった思い出がたくさんです。

特に思い出に残っているのがコンクールです。合奏コンクールやアンサンブルコンテストに出場して、賞を頂くこともありました。

仲間と一緒に曲を作り上げていく過程や、仲間と音楽をする喜びを分かち合えたことがとても楽しかったのだと思います。前原中では本当に素晴らしい音楽仲間に出会えました。

竹部さん

ー小4からのスタートだとバイオリニストとしては出発が遅いように思います。プロとして、もしくはプロを目指す過程において、それが不利になるような場面はありませんでしたか?

確かに出発が遅く、それをコンプレックスに思うことも多かったですが、それを埋めるために基礎練習に一生懸命取り組みました。また、小中学校の管弦楽部やジュニアオケでの経験は大きな助けになりました。

竹部さん

プロを目指して音大附属高校に

ープロになりたいと思ったのはいつ頃からですか?

小学校6年生くらいから、将来はバイオリニストになりたいと漠然と思うようになっていました。そこで高校は、師事したい先生がいて東邦音楽大学附属高校に進学することにしました。

竹部さん

ー高校生活はいかがでしたか?

1学年1クラスしかなく、濃い人間関係の中で送る音楽漬けの生活がとても過ごしやすかったです。

学園祭や学内コンサートなど演奏機会も多くあり、他学年のとても上手な人とアンサンブルを組むなど、刺激的な場面も多々ありました。

竹部さん

ー大学はそのまま東邦音大に入られたんですよね。高校生活とはどのような違いがありましたか?

高校時代よりも学内外問わず人前での演奏機会が増えました。3年次に学内オーディションを受けてチャイコフスキーのコンチェルトをオーケストラと共演させて頂けたのも貴重な経験でした。そのほか、室内楽にたくさん誘っていただきコンサートに出演したり、学内オーケストラでの演奏機会も多くありました。今まであまり挑戦してこなかったコンクールにも先生の薦めで挑戦しました。

竹部さん

ー現在は大学院に?

師事している先生のもとでもっと学びたいという気持ちが大きくなり、大学院に進学することにしました。大学時代同様に音楽漬けの日々ですが、大学院ではシェーンベルクとブラームスの関係をテーマとした研究を行い、論文も書くことになっています。

竹部さん

ー今後の目標は?

室内楽やオーケストラを中心に、幅広く演奏活動をしていきたいと思っています。そのために日頃から研鑽を積み、様々な事に挑戦していきたいです。

竹部さん

船橋ジュニアオーケストラで育まれた音楽家としての下地

ー船橋ジュニアオーケストラにも所属されていたとのお話がありました。

船橋ジュニアオーケストラは40年の歴史を持ち、10歳から22歳までが所属することができる楽団です。船橋市を中心に、市川など近隣市の人も所属しています。

竹部さん

ージュニアオケには何年間所属されていたのですか?

私は小学校6年生から20歳まで、受験などで休団していた時期もありますが、約8年間所属していました。本当は22歳まで続けたかったのですが、さすがに音大生活との両立が難しかったんです。

竹部さん

ー学校の部活もあったのになぜジュニアオケに?

部活がすごく楽しくて、もっとオーケストラで演奏したい、もっと上手くなりたい、という気持ちが芽生えたんです。なので小学校6年生になってすぐにオーディションを受けました。

竹部さん

ージュニアオケでの生活はいかがでしたか?

団員も運営の方々も温かい人たちばかりで、とても居心地が良かったです。

また、ジュニアオケには各パートにトレーナーの先生がおり、演奏会ごとに指揮者の先生も違う方がいらしてくださり、それがものすごく勉強になることばかりでした。

竹部さん

ー各パートにトレーナーとはすごい。学校の部活ではなかなかそこまでの環境はありませんよね。

そうなんです。楽器を始めるきっかけは学校の部活でしたが、自分の中にバイオリンやオーケストラの専門的な下地を作ってくれたのはジュニアオケだと思っています。

竹部さん

ー小中学校の学校の部活との両立は大変だったのでは?

ジュニアオケの練習は毎週日曜日なのですが、日曜日は部活はお休みだったので両立の苦労はありませんでした。むしろジュニアオケのおかげで、日曜日も含めて毎日楽器を弾く習慣が身に付きました。

竹部さん

ージュニアオケでの一番の思い出は?

毎年の合宿ですね。一宮での2泊3日の合宿が恒例行事で、朝から晩までみっちり練習するんです。練習だけでなく、友人たちとの夜の語らいなども含めて本当に充実していました。

竹部さん

船橋への想いと今後の展望

ー竹部さんが思う船橋の良いところ・もっとこうだったら良いのにというポイントを教えてください。

小中学校での、管弦楽が盛んなのが良いなと思っています。そこをきっかけに音楽家になっている人も多く、私と同じように船橋への愛着やご恩を感じている人も多いのではないでしょうか。

ただ、プロの音楽家が活躍できる舞台が船橋には少ない。なので街に恩返しをしたくてもそれが叶わないのはもどかしいなと思います。

竹部さん

ー最後に、今後の竹部さんの展望をお聞かせください。

今回「ふなおん365」とご縁を頂けたのは本当に幸運でした。このご縁を機に、船橋の街での演奏機会を増やし、お世話になった地元への恩返しをたくさんしていきたいと考えています。

竹部さん

竹部 朱里 – バイオリニスト

 

千葉県船橋市出身。

 

東邦音楽大学附属東邦高等学校を経て同大学Konzertfach(演奏専攻)卒業。現在、同大学大学院修士課程2年在籍。在学中に東邦令和奨学金、卒業時に三室戸貴光記念奨励賞を受賞。学内オーディションにより、同大学管弦楽団と協奏曲を共演。卒業代表演奏会、第90回読売新人演奏会に出演。

 

第21回日本演奏家コンクール大学生の部第2位、併せて千葉県教育委員会教育長賞受賞。ヘーデンボルク・和樹氏によるマスタークラスを受講し、受講生選抜コンサートに出演。飛騨高山音楽祭、調布国際音楽祭等に参加。フィリアホール室内楽アカデミア第2期生修了。江戸川演奏家協会会員。

 

これまでに不破悦子、宮野陽子、ルネ・スタールの各氏に、現在、清水高師氏に師事。室内楽を大久保淑人、故白井英治、藤森亮一の各氏に師事。

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