須川展也サクソフォン・コンサート〜バッハから映画音楽まで、サクソフォンの魅力全開〜

クラシックサクソフォンのパイオニアで世界的に活躍するサクソフォン奏者である須川展也さんによるコンサートが、2月15日に市民文化創造館きららホール(船橋市本町1-3-1フェイスビル6階)で行われた。

チケットは事前販売の段階で売り切れとなり、会場は満席となっていた。

第一部はアレンジ作品でバロック〜古典派〜ロマン派と音楽の歴史を辿っていくプログラム。

ソプラノサックスによる無伴奏での「ガボット」でコンサートの幕が開き、続けてピアノの小柳美奈子さんを伴奏に加えて、プログラムには載っていなかった「G線上のアリア」が演奏された。

次に演奏されたのは映画音楽「美女と野獣」。なぜこの流れで映画音楽が?と思ったら、「朝の風景」がベートーヴェンの「田園」のメロディに似ていることから古典派の曲のとして選曲したそう。

続けてロマン派作曲家の作品から、本邦初演という「パガニーニの主題による変奏曲より『第18変奏曲』」を朗々とサクソフォンで歌い上げ、それとは対照的に「カルメン幻想曲」では超絶技巧を見せつけて第一部は終了。

コンサートは須川さん・小柳さんたちの分かりやすくクスッと笑えるような小話も含めたトークを交えて進行され、某5歳児に叱られるテレビ番組を彷彿とさせるクイズを交えた楽器紹介コーナーが特に盛り上がっていました。また、ピアノの小柳さんが大学時代も含めて船橋で約10年間ピアノ講師をしていたという船橋市民には嬉しいこぼれ話も!

第二部はサクソフォンオリジナル作品のプログラム。

何と言っても圧巻だったのはゲスト奏者であるパーカッションの山口多嘉子さんも交えての「サイバーバード協奏曲(トリオ版)」の演奏。須川さんの卓越した演奏にパーカッションが彩りを加え、全3楽章の20分を超える大曲もあっという間に感じられるほど。

演奏で使用された打楽器

この曲は日本を代表する作曲家の一人である吉松隆さんにより、サクソフォンをソリスト・ピアノとパーカッションを準ソリストに迎えての協奏曲として1994年に作曲された作品で、須川さん・小柳さん・山口さんは初演でソリストを務めたオリジナルメンバー。この日の演奏は、そのオリジナルメンバー達によるトリオ版の演奏が聴けるという非常に貴重な機会でもあった。

この日に演奏されたものとは異なるサクソフォン+ピアノ伴奏版とはなるが、須川さんの公式Youtubeでは「サイバーバード協奏曲」の演奏動画も公開されているので、興味のある方はこちらもぜひご覧頂きたい。


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