船橋にゆかりのある音楽家をご紹介。第14弾はピアニストとして活躍し、音楽プロデューサーとして様々な企画にも関わる高知尾 純(たかちお じゅん)さんにお話を伺いました。
地域ふれあいコンサートにも多数出演のピアニスト、作曲家、音楽プロデューサーとしても活躍
ふなおん
毎年2〜3月に市内の各公民館で行われている地域ふれあいコンサートには何度も出演させていただいております。
また、横洲かおるさんや小松優一さんなど、船橋市を拠点に精力的に活動しているアーティストの方々ともたくさん共演の機会をいただいております。
高知尾さん
ふなおん
最初に出演した船橋市のイベントは、二和公民館での地域ふれあいコンサート。コンサートの実行委員に、小学校時代の同級生のお母さんがいらっしゃり、「そういえば高知尾くんってピアニストになってるんじゃないの?」と声をかけていただけたのです。
それをきっかけに様々なイベントに携わることができました。
高知尾さん
ふなおん
演奏以外では作曲・編曲など制作活動に加えて、千葉の京成ホテルミラマーレにて毎週金・土曜日に行われるトワイライトコンサートの音楽プロデューサーとして取り仕切り役にも務めさせていただいております。
高知尾さん
ライブハウスでの出会いをきっかけに活動分野を大きく転換
ふなおん
高知尾さん
ふなおん
中学生になった頃から発表会の大トリを任されるようになり「この教室で一番ピアノが上手いのは自分だ」と、今思えばかなり天狗になっていました。
でも実は同じ教室の1つ上の先輩に自分より遥か上の存在がいたんです。
その先輩はいつもは時間の都合で発表会の別の部に参加していたので気付かなかったのですが、この時の発表会は自分と同じ時間帯に出演してきて、しかも大トリもあっさり奪われてしまいました。
「誰だこいつは。なんで俺が大トリじゃないんだ」
なんて思いながら演奏を聴いたらもうビックリ。メチャクチャ上手いんです。自分なんかじゃ全然敵わない、と脱帽でした。
それから自分の未熟さを大いに反省し、ピアノに真剣に打ち込むようになりました。
高知尾さん
ふなおん
普通科の高校生活とは違い、音大では周りもみんな音楽漬けの生活を送っているので「やっと自分の居場所が見つかった」という特別な感覚でした。音大での生活はとても楽しく、一気に友達も増えました。
音大入学当初はソロピアニストの道に進むことしか考えておらず、コンクール優勝を目指してソロ曲をたくさん演奏していました。
実は伴奏やアンサンブルは当時はむしろ嫌いで、ソロピアノ以外は目に入らないという感じでした。
高知尾さん
ふなおん
この期間に様々な経験をさせていただき、ピアノはソロ以外にも楽しいことがたくさん出来るということに気付きました。
何より大きかったのが、伴奏をした演奏相手から「ありがとう」と言われたことなんです。
それまでコンクール目的でソロ曲をひたすら弾く中ではありえない経験で、自分の演奏が誰かの役に立てる喜びを初めて味わいました。
様々な出演者と出会う中で、これまで全く経験していなかったポップス系の音楽に出会ったり、テレビ等で流れるような商業音楽の分野にも興味を持つようになりました。
その後、音大に復学してからはシンセサイザーやコードワーク、オーケストレーションなどを勉強したりと、入学当初とはかなり毛色の違う分野の学びに取り組みました。
高知尾さん
「人の役に立てる音楽」を目指して
ふなおん
その眼鏡屋の社長さんが音楽好きな方で「眼鏡ができるのを待っているお客様に生演奏を聴かせたい」ということで、店内で行われるミニコンサートでピアノ伴奏をしていました。
社長さんの繋がりでミュージカル系の俳優の方々の伴奏をさせていただく機会が多く、ここでの経験が自分にミュージカル音楽という軸を持たせてくれました。
高知尾さん
ふなおん
小川先生には音楽の指導を超えて仕事面でもたくさん面倒をみてくださり、感謝しております。
高知尾さん
ふなおん
高知尾さん
ふなおん
自分が音楽活動のテーマに掲げているのは「人の役に立つ音楽」です。伴奏者はソリストを支えることで人の役に立っていることが実感できます。
それと同様に自分の作った曲を誰かにうたっていただくというのは大変誇らしいことです。自分の曲は自分の分身ですからね。
人の役に立てるのであれば、自分は影としての存在で構わないと思っています。
高知尾さん
船橋への想いと今後の展望
ふなおん
講堂にグランドピアノがある公民館も多く、公民館の職員や利用者の方もイベントの企画を前向きに率先して行う方が多いのがとても良いですね。
強いて言うなら、それぞれのイベントが単発で終わってしまっているのが勿体無いと思うところです。各イベントの横のつながりが強くなって、船橋市全体で音楽への取り組みが盛り上がっていくような形になるとさらに良いですね。
高知尾さん
ふなおん
直近では2020年6月6日・7日に栃木県真岡市で開催される真岡ミュージカルの定期公演があります(新型コロナウイルス感染拡大を考慮して2020年12月27日に延期)。その作品の作曲および編曲を担当させていただいており、何としても成功させたいと思っています。
また演奏者としては、今はアーティスト個人個人を伴奏者としてサポートする機会が多いのですが、チャンスがあればオペラやミュージカルの組織にどっぷり浸かってみたいという想いをもっています。
高知尾さん
高知尾 純 / ピアニスト・音楽プロデューサー
東京音楽大学にて草川宣雄氏にピアノを師事。
卒業後、作曲・編曲を小川悦司氏に師事。
クラシックはもとより様々な分野で伴奏者として演奏活動を行う傍ら、制作活動も活発に行っている。
韓流ぴあミュージカル The Greatest Vocalist Vol.03<チョン・ドンソク>及び Vol.04 <キム・ジュンヒョン>にてキーボードを担当。
「八洲秀章生誕100周年記念コンサート」・「沢木順 歌唱演出 BRIGHT SEVEN」・「見果てぬ夢 沢木塾 ミュージカルコンサート(vol.1~)」にてピアノ伴奏を務める。
制作業は2009年三越日本橋本店における数々のイベント音楽の担当を皮切りとして本格的に開始し、 数多くの楽曲提供・編曲を手掛ける。
2015年 千葉市民文化祭(千葉市文化振興財団)音楽監督。
2017年 真岡ミュージカル「けやきのゆめ」、及び2018年「ストロベリー・クライシス」、2019年「ストロベリー・クライシス2019」全作品の作曲・編曲を担当。
とちぎテレビ「わいわいボックス」テーマソング、浅井歯科クリニックCMソング等を始め、劇伴も含め幅広く音楽制作を行う。
現在、京成ホテルミラマーレ 音楽プロデューサー。